聞かせてパン屋さん!

第5回『ブランジェリールボワ(東京・中野富士見町)』


パティスリーマディ松原さんから紹介頂いた若きオーナーシェフ、森さん。(マディさんでの勤務を経ての独立とのこと。)最初ルボアさんのお店の名前にピンっとこなかったのですが(すいません。。。)その後、ここ数年のパンが紹介された雑誌等を調べると、すっすごい欠かさずというぐらい紹介されている。大注目のパン屋さんのようです。しかもオーナーはご実家がパン屋さんで、パン作りを始めて15年。3年程のフランスでの修行の経験もあるとのこと。これは面白いお話がいっぱい聞けそう♪


〜若手注目度no.1シェフ森さんってどんな人?〜

●森シェフのこれまでの経歴●
製菓学校を卒業後、東京のパン屋さん(武蔵境メープル、
現在はもうないとのこと。)で5年間修行。
このとき奥様の葵さんと出会い。二人でフランスへ。
パリのパン屋さんで3年程の修行を経て、帰国後は「パティ
スリーマディ代官山」で更にパン修行を重ねる。
2001年秋に独立。パリで食べた本場のクロワッサンの
味は忘れられない。好きなパンはクロワッサンと語る
若きオーナーシェフ。なにやら奥様にベタ惚れという
ウワサも・・・(*^。^*)


―中学卒業する頃はパン屋はやりたくなかった。妻と知り合ってフランスへ行ってから、そこから・・・―

パンふぉ:雑誌でご実家もパン屋さんだと拝見しましたが、家を継ごうというお気持ちはあったのですか。東京に行きたかったから・・・製菓学校行ったというのは本当ですか。
ルボワ森さん:初めはねえー。やっぱり、中学卒業する頃はやっぱりやりたくなかったんですよ。それで工業高校の機械科へ僕行ったんですよ。プラモデルとか作るの好きだったんで、それで、なんか車の整備工場でやりたいなあ。働きたいなあって思ったんですよ。そう思ったんですけど、やっぱり東京へ行けるっていう、それがあったんで、まあとりあえず行こうかなって。で、その頃からちょっとずつ、パン屋にならなきゃだめかな。やっぱりって。

パンふぉ:あーー(うなづく)。・・・でも親としてはホントは帰って来て継いでほしいっていうのがあったのでは?
森さん:そーですね。最初それが前提でした。フランスへいくまではそれが前提でした。
まあ妻と知り合ってフランスへ行ったんですけど、それで妻に感化されたみたいな感じです。

パンふぉ:フランスでは結構苦労されましたか?言葉の壁とか?
森さん:ていうか、まあ、現場に入ってれば。毎日やっていれば言葉は分っていくし、あんまり言葉を使わないですよね。数字とかあれ回してとか、これ入れてとか、結構決まった言葉しか使わないんで。

パンふぉ:でも言葉分からなくて行って、すぐに働き口ってあるものなのですか。
森さん:一応、専門学校卒業してるんで、その前に専門学校の先生がフランスに行ってたんですね。それで一応パン屋さんの住所は聞いて行ったんです。まあ働けるかどうか分からないけど、あたってみたらどう?日本人に親切な人だからっていうことであたってみたんです。

パンふぉ:そこでダメとか言われたら・・・??
森さん:まあ、それはしょうがないですよ。ともかくやらしてくれって言えばなんとかなるんじゃないかなと思ってたんです。まあ長い間行けなくても短期間でもやらせてもらえればいいやと思って・・・それで、行きあたりばったりというか、それで当たってみました。(森さん、意外とアバウトというか、強気です(~_~;))

パンふぉ:フランスへ行った事が自分の人生を変えた?
森さん:そうですね。やらなきゃ駄目だっていう気になりましたね。まず言葉ができないじゃないですか、行ったからには中途半端じゃ帰りたくないって気持ちはあったんですよ。あとフランス行ったっていう肩書きがついちゃったら、もうそれに恥ずかしいことはできないじゃないですか。だから一生懸命やりだしたみたいな感じですよね。それで(帰国して)マディ入って、それまではまだ帰ろうかなとは(実家に)チラッチラッとは思ってたんですけど、それで松原さん(パティスリーマディ代官山シェフ)に感化されたところはありますよね。一生懸命やってる。この人スゴイなって・・・




―こだわっちゃったら、もうそこから逃げ道が無くなっちゃう。いいものが作れればそれでいい・・・ー
パンふぉ:ルボワさんはここにこだわってパンを作っているという点はありますか?
森さん:あんまり僕はこだわりとかないんですよ。何でもいいものは取り入れていこうかなと思っていて、ただフランスへ行っていたから、それでマディでやってて、マディがフランス寄りじゃないですか、パンが。
ですからフランスって感じになっちゃってるんですけど、基本はやっぱりそうなってますんで。
ただ、なんていうんですか、フランスにこだわってるわけではなくて、いいものはとりあえず取り入れて行こうっていう。それでまあスタートして4年になるんですけど、まだそれで自分がフランスでやって来て、マディでやって来てそのベースがやっぱりフランスなんで、それでまず覚えてもらうには、その得意な分野からって言うか、やってきたことをまずやって行って・・・という感じですよね。

パンふぉ:パン屋さんによっては例えば塩はどこ。粉はどこ。とか、素材にすごくこだわるとか、製法にすごくこだわる所もありますけど・・・?
森さん:そーですね。こだわっちゃったら、もうそこから逃げ道が無くなっちゃうじゃないですか。もしそれがダメになった場合。だから僕はできるだけ言わないっていうか。。。まあちょっとはフランスの製法とか、やっぱりそーゆうのはあるんですよ。ただそれを言っちゃうと、もう「お前はそれにこだわってるんじゃないの。」って言われるとそれで終わりなんで、あまり言いたくないなって。だからいいものはともかく取り入れようとは思っていますね。完全にこれだって決めてる人・こっちから拒絶しちゃう人っているじゃないですか。いいものがあっても、僕はもうこれだから、それはもう絶対ダメだっていうの。できるだけそういう風にはしたくないんですよ。幅広くやって行きたいし、本当にいいものを取り入れて、いいものが作れればそれで・・・いいものが作れればそれでいいって感じです。


―妻がすごい子供好きなんですよ。それでやっぱり子供たちにもたくさん来てもらいたい・・・−

ぱんふぉ:奥様と知り合ってフランス行きを決意され、なんだか二人三脚というイメージがすごくありますが、やはり奥様の影響は大きい?

森さん:そうですね。年上であるのも・・・4つ年上なんですよ。だから僕がちょっと甘ったれって言うか、たぶんそういうところがあると思うんですね。それでたぶん年上を選んじゃったと思うんですけど・・・はい。彼女は絵をやってるんで。それでなんか、あの、まあ共通というか、海外へ行きたかったみたいなんですね。友達とかも結構、絵の勉強とかで留学しているらしくて、それで共通な事ないかなっていうと、やっぱりフランスなんですね。そこからですね。それでフランス行ったんです。

パンふぉ:今日ルボワさんで販売しているパンを見たらイヌのパンとか、こじんまりとした可愛らしいパンが多いですよね。これも奥様の影響??
ルボア森さん:あーー。それはやっぱり妻がそういう面を持ってるんで、それと妻がすごい子供好きなんですよ。それでやっぱり子供たちにもたくさん来てもらいたいっていう・・・・自分の子供にも食べさせて、これどう?って聞いて、おいしかったって言うと、あ。じゃあこれやってみようかなとか。女性のお客様は大きいの一つ買って帰るとお腹いっぱいになっちゃうじゃないですか。それだったら小さいの2個っていう・・・(笑)
うん。たくさん食べてもらいたいなっていう、いろんな種類を・・・それは彼女の(奥様の)気遣いなんですけど、あと子供も1個だったら、小さいのだったら食べきれるけど、親が気にするのは「あんた食べきれるの?」ってよく言いますよね。だから小さくしておけば子供も食べやすいですし。

パンふぉ:子供は素直に反応するから意見を聞くと面白いかもしれない。いわゆる辛口評論家じゃないですけど・・・子供たちの意見で採用されたパンもあるんですか?
森さん:小倉のあんぱんとかそうですね。あとは何だろう・・・シャポー。シャポーがすごい好きなんですよ。UFOみたいな帽子のパン。あとは何だろう・・・結構聞くんですけどね。・・・ルヴァンもそうですね。細長い形にしたら子供たちがバリバリバリバリ食べるんです。それでこれで出してみたらどうだって、で、出してみたらこれが売れないんですけど。

(一同爆笑)

でも子供たち好きなんで作って、残ったりすると持って帰れるんで。(ホントやさしいパパさんなんです・・・(*^。^*))うん。結構子供たちの影響もありますよね。まずいとか言ったら作らないし。

パンふぉ:朝早くから夜遅くまで、なかなかお子さんと過ごす時間もないのでは?
森さん:夏は帰れるけど、冬になるともう、日曜日しか顔合わせないですね・・・
おーー久しぶりー!とか言って。(笑)日曜日とかも、なんか僕が出る用事とかがあるとやっぱり顔合わせないから・・・。もう、絶対子供たちと一緒に、絶対家族と一緒に休みはいます。

―近いようで届かない人たち。いつまでたっても追いつけない・・・ー

パンふぉ:休日は研究のために他のパン屋さんに行ったりしますか?その中で、あそこのこのパンはおいしかったなとか思うパンはありますか?
森さん:あー行きますね。やっぱり明石さん(ブロートハイム)とこはハード系が抜けてる(抜きんでてる)と思うんですよ。あとはどこだっけな。今年の夏、成瀬さんとこ(トランブルー??)へ行ってきたんですけど、デニッシュはやっぱ綺麗でしたね。あとハード系もおいしかったんですけど、あとは・・・あとはどこだろ・・・・最近あんまり行ってないかな。いっぱい買いますね。ついつい・・・

パンふぉ:で、みんな(家族)で食べて?
森さん:そう、それでこれおいしね。とか、こうゆう使い方あるんだとか。


パンふぉ:森さんの好きなパン屋さんどこですかって聞かれたら?

森さん:ブロートハイム、あと・・・・あそこ・・・成瀬さんのとこですよね。あと志賀さん(アルトファゴスのシェフを経て現ユーハイムのシェフ)のパンがすごい好きなんですよ僕。あとは・・・その3つかな。おっきなとこっていうと。まあ一番こっから行きやすいっていうのもあるんですけど。成瀬さんのとこはまあたまにしかいかないですけど、明石さんとこはよく行きますね。なんかリテールベーカリーで一番手本にしなきゃだめなのは明石さんのとこかなと思ったりして。

パンふぉ:(どこのパン屋さんが好きというより、このシェフが作るパンが好きということのようです。)目標としてらっしゃる人っているんでしょうか?
森さん:あーー。やっぱり今著名なパン屋さんのシェフとか、例えば明石さん(ブロートハイム)、成瀬さんとか、谷上さん(ナイーフ)志賀さん、松原さんとかもそうですし、近いようで届かない人たちなんですよね。やっぱり僕が勉強すれば向こうも、上の人も勉強してるだろうし、そしたらいつまでたっても追いつけない。っていう感じはしてますね。


パンふぉ:皆さん勉強熱心なんですね。
森さん:はい。もう、すごいです。とにかく近づこうとはしています。

―目標はNHK出演?!生まれ変わったら・・・・ー

パンふぉ:今後の夢というか、何かチャレンジしたいことは?パンでもいいし、別のことでも!
森さん:あーー何かなあ・・・まあ1冊の本は作ってみたいですね。今回松原さん出すじゃないですか。1冊の本は出してみたいですね。まあそれは目標で、夢ではないんだろうけど。目標ですね。

パンふぉ:本にするための毎日毎日が積み重ねなんでしょうね。
森さん:そうですね。・・・あとは何だろうな。あ。NHKのなんとか講座っていうのとか出てみたいですね。

(一同爆笑)

パンふぉ:結構ミーハーなところもあるんですね。(笑)それはやっぱりNHKなんですか?

森さん:うん。それは認められたって感じがするじゃないですか。民放じゃ駄目なんです。NHKなんです。(笑)やっぱり国営なんです。

パンふぉ:森さんの「座右の銘」というか、テーマとしていることとか・・・・何かありますか?
森さん:テーマとしているですか・・・・なんだろうな・・
・『何でも努力すること』かな。とにかく頑張っていればどこかから芽が出てくるよみたいなこと・・・っと思いますね僕は。常に何かアンテナを立てて、常に何か吸収しようとしていれば必ず力になるんじゃないかと。うん。それ。

パンふぉ:生まれ変わっても、またパン屋さんになりたいですか?
森さん:僕ですか?・・・なりたくない。

(一同爆笑)

僕、結構スポーツ好きなんでスポーツ選手になりたいですね。中学校の頃はバスケやってて、高校へ行って陸上に変わったんですよ。バスケいろんな高校から誘われていたんですけど、それ断って陸上やってたんです。・・・なんか団体競技はもういいや・・・みたいな。中途半端で終っちゃったんですよ。その頃は何も分かってなかったですからね。小さな頃から何かひとつ貫いてやっていけば良かったかなって。



今回のインタビューはルボワさんの事務所のようなところでゆっくりたっぷりとお話を伺う事ができました。最初ぱんふぉメンバー、森さんとも少々緊張気味で話も硬かったように思いますが、次第に打ち解けていろんなお話を伺うことが出来ました。森さんのパン作りへの姿勢、家族・お客様への想い、パン職人の先輩方への尊敬の念がヒシヒシと伝わりました。やはり何かに打ち込んで日々努力している方は素敵ですね。次回はどんなパン屋さんに出会えるか。楽しみです。

お便りはこちらへ

〜♪新着情報♪〜
新着とは言えないかも知れませんが・・・(~_~;)
ルボアさんでは1周年記念限定の奥様デザインのエコバック(525)を販売していますよーー。あのホワイトバンドを販売していた時期もあったとか。パン以外商品にも注目!